by 渡辺天和斎 Information
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2005年 11月 11日
三島由紀夫の原作を忠実に映画化ということで期待してたのですが、悪い意味で忠実であり、1時間で飽きてしまいました。やっぱり三島文学は難解です。
映画でも小説でも、主人公にある程度感情移入できないと辛いわけで、感情移入には共感が必要なのですが。全編通じて清顕には全く共感が持てませんでした。「オペラ座の怪人」のクリスティーヌを見てるよりしんどかったです。 幼なじみで、はっきりした言質はないものの相思相愛だと分かりきってて、周囲もおおむね温かく見守ってくれてて。女のほうがあの時代ではありえないほど積極的なのに。そこまでお膳立てされてて何が不満なんだ。バカかお前。……と、清顕よりもむしろ本多の気持ちになって、清顕を一刀のもとに斬り捨ててました。聡子が芯の強い、好感の持てる女性だったことがまだしもの救いです。 しかし、本多はそんな清顕のことを見捨てず、聡子との仲を取り持ち、運転手役を買って出、奈良で清顕が倒れたと知らせを受ければ学校を休んで助けに行き、起き上がれない清顕に代わって寺に行って門跡さまに頭を下げ、ラストでは瀕死の清顕を抱えて涙。それ友情じゃないだろう!? と言いたくなるほど仕えてます。 「春の雪」で描かれている禁断の愛とは、本多の清顕に対する自虐的なほどの奉仕ぶりなのか! やけくそ気味に見える清顕と聡子のラブシーンより、「僕を信じてくれ。僕は君の友だ」と言い切る本多とのシーンのほうがラブラブに見えたのは、わたしの目が腐ってたからではないと思います。腐女子的萌えを求めて三島文学を読み始めたわたしの願いは、思いもかけないところでかなえられたわけですね。 文句ばっかり書きましたけど、原作の美しい描写を損なうことなく映像化したことは間違いありません。三島作品全体に漂う妖しさも十分感じられたし、伏線の張り方も巧かったし。また、大正時代の日本の上流階級の絢爛豪華な生活も、見ていてうっとりします。特に着物や洋服の着こなし方とかね。当時はビビットな着物に豪華な半衿を合わせるのが流行ってたのねーとか、ズボンはベルトで締めるんじゃなくサスペンダーで吊ってて、靴下も靴下留めで固定するんだったよねー、とか。位置づけとしては長編イメージ映像?
by tenhosai-north
| 2005-11-11 22:07
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