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2007年 06月 26日
前に予告してた『オペラ座の怪人』とのクロスオーバー作品、やっとできました!
……って、3ヶ月もかかっとんのかい。我ながらビックリ。 作品公開と同時に、奥の院も少し整理しました。もともとは各作品ああいう連作構想で書いていました。今回新作を追加した「大神一郎と芸術家」シリーズはそのうち最も古いものです。DC版「3」が出た頃にはもう枠組みだけはあったかな? 芸術家……ってことで、残りのお相手も想像できるかと思います。書道家とかピアニストとか。 だけど、今回のメル、『オペラ座の怪人』を題材にはしつつも、文学カテゴリで登場させるつもりでした。映画版でなく原作をベースにしたのも、元はといえばそのためだし。 最初は、「1986年初演だったウェーバー版ミュージカルが、あの時代にあるわけがないな」と、当時メルと大神が見れただろう原作(初版1910年)を探すところから始まって。見つけた原作を読んでみると、これはこれでエリックの神がかった美声とかミュージカルよりどろどろした三角関係とかが面白くて。それでベースを原作におくことは決まりました。 とはいえ、そもそもの動機が「大神とメルで"The Point of No Return"をやろう」だったので、大神が歌うシーンははずせず。ならば、と原作で怪人エリックが歌うシーンの中から、シチュエーションにふさわしい歌をピックアップして音源を探して……ここに多くの時間を費やしました。この考証上の苦労が、作品を難産にした一番の理由でした。見つからなかったのよ、歌劇『ロメオとジュリエット』のCDが。やっと見つけて本文を書くまでには、オペラ座の歴史やら声楽における発声のイロハまで、いろんなことを学んでおりました。それが小説を書く楽しみの一つではあるんですが。 私は、小説での考証の意義を、「カクテルにおけるレモンピール」もしくは「和食における柚の皮」のようなものだと考えています。 あれば風味が増してよりおいしくなるけど、なくても気付かれなくてもおいしいのが理想。 だけど、なんでか、「れ、レモンピールにも最大限気を配って本物を仕入れております」って主張しなきゃいけないような気がして怖かったりします。 なんだろなあ、これ。 これまでここで、いろんなものの制作過程を公開してきたのとはまた違います。あれは、自分にとって自明のことでも、他の人には有用かもしれないという思いがあってのことです。 今回の作品に限っていえば、考証でがっかりさせたくなかったのは、『オペラ座の怪人』も知っている読者でした。 私は『サクラ大戦3』も『オペラ座の怪人』も大好きな作品で、両作品への愛と敬意を忘れずにこの作品を書いたつもりです。 でも、筆者がそう思ったとして、読者はどこからそれを感じ取るのだろう? そう思うと、考証という作業はどこまでやっても納得いけるものではなく、かといって、やりすぎてがんじがらめになるのもごめんのような、そんな大変なものに見えてきました。 だから、答えられる人があれば訊いてみたいと思います。 二次創作における、原作の資料を当たる以外の考証はどんな価値を持ちますか? 筆者の原作への愛というものを、どこで感じますか? なお、上記の質問に対しての私なりの答え。 考証の価値については、先に述べた通り。 筆者の原作への愛をどこで感じるか。まずは、原作を正確に読み取ってる様子。固有名詞とか細かい設定に原作との齟齬がないか。そして何より、原作キャラを理解している様子。彼/彼女らしからぬ言動をさせていないかどうか。 このあたりだと思います。主人公受の801は、その点で大きな矛盾を抱えてるわけですけど。それでも彼の言動に、読者が納得できる根拠を与えるべきだと思っています。 ……とはいえ、もしかしたらそんなに難しく考えることでもないかな、とも思います。 文章には、筆者がどのような気持ちでそれを書いたか−−根本思想が、意識しなくともにじみ出るといいます。だから、「好きだ、自分なりの方法で彼/彼女を愛したい」と思って書けばそれが読者にも伝わるでしょう。そんな気がしてなりません。
by tenhosai-north
| 2007-06-26 20:52
| 創作メモ
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