by 渡辺天和斎 Information
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2008年 02月 25日
二次創作の作品を評価する指標に「原作及び原作キャラへの愛が感じられること」というのがあります。
自分が二次創作を書きたくなるぐらい好きな原作の二次創作なら、そこに愛があるかないかっていうのは、なんとなく分かっちゃうわけです。 では、それは二次創作作品のどの部分から判断できるのでしょう? これを考えるきっかけになったのが、「サクラ大戦3」をプレイしていない作者が書いた、同作品の二次創作マンガでした。 最初そうとは知らずに読んでいて、「なんか変だな?」と違和感を抱き、途中で「この作者、実はゲームやってないのでは?」と疑問に思い、あとがきでその旨ネタばらしされていて、「ああやっぱり」と思ったわけなんですが。 疑う材料となったのが、一つは主人公である大神一郎がまったく出てこなかったこと、もう一つはグリシーヌやロベリアの口調が明らかに原作と違っていたことでした。 そこをとっかかりに消去法で考えるのが手っ取り早そうだったので、私なりに「原作への愛が感じられない二次創作」の条件というものを考えてみました。 1 原作キャラに対する考証不足 たとえばそのキャラが絶対やらないような言動を、理由もなしにとらせているとか。言葉遣いがそのキャラらしくないとか、原作キャラの設定が軽視されているとか。 ただこれもいろんな例外のありそうな穴だらけの条件で、「らしくない」行動も説得力のある理由付けがあれば納得できたりします。設定をあえて無視するのも、作品外ででもその理由が説明されていれば、「そういう考えもあるのだな」と納得できます。 あー、でも口調が違うっていうのはかなり致命的かも。一人称が間違ってたりとか。 2 原作キャラをわざわざ貶めるような表現 ……これも愛あるいじりと紙一重なので難しい話なんですが。 何というのか、とあるキャラがマンガでも総スカン食ってて、作者さんのフリートークでも面と向かってはいえないほどの悪辣な罵詈雑言が書いてあって。作者さんがそのキャラ嫌いなのは分かるけどさ、原作のファンを読者とする同人誌でやらなくてもいいじゃん……みたいなすんごい悲しい気分になりまして。 んで、愛あるいじりとそうでないものの境界線って何だろう? と思った次第です。 では逆に、二次創作小説に原作キャラへの愛を感じる時というのは、それ単体ではなく、作品外での記述や作者さんと交流して得た事前情報が一番有力だったりするのですよ。これまた指標としてフェアでない。 作品から読み取れるのは、物語における扱いとか、描写の細かさと確かさから、よく観察しているということしか。 んー、なんか振ったはいいけどまとまりきらない話だなー。 「明らかに原作を知らずに書かれた二次創作」と「原作の特定キャラを貶めるために書かれた二次創作」に対して感じた心のざらつきを、どうにか説明できるようにしたかっただけで、そういった作品の是非を問う気はありません。 ああ、後者に関しては、私が「たとえ知らない相手のことでも、悪口を言うのも聞くのも大嫌い」という潔癖な性癖のせいです。だけどまあ、それも見なかったことにすればすむことですし。 とりあえず考えかけってことで、ここに置いておきます。
by tenhosai-north
| 2008-02-25 21:39
| 創作メモ
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